僕たち夫婦が家づくりを始めたのは、まだ付き合い始めて3か月頃で結婚さえしていない時でした。
きっかけは、僕の職場の女性が「展示場を見て回るのも楽しいよ」と言って、ハウスメーカーのパンフレットを渡してきたことでした。
僕たちはまだ付き合ったばかりでしたが、僕は彼女に人生で初めて一目惚れをして付き合い、彼女の人柄にも惚れ込んでいました。
とあるデータによると、男性が女性に一目惚れをした場合、将来的に離婚する確率はかなり低いということです。
僕は理系の大学を卒業していることもあり(関係ある?)データを重視してしまう性格です。
ですので、結婚するなら離婚したくない。離婚したくないなら離婚する確率が低い相手を選ぶべき。その結果、一目惚れした女性と結婚しようという結論に達して、今の妻を血眼になって探し回りました。
『鉄は熱いうちに打て』というように、僕は付き合ってから初めて迎えるクリスマスに妻にプロポーズをするつもりでしたし、付き合い始めの段階で妻に「今年の年末くらいにプロポーズするつもりだから、結婚するつもりがないなら早めに別れてね」と言いました。
それからどのようにしてプロポーズの日を迎えようか作戦を考えた結果、旅行やハウスメーカー巡りと、休みの日が合う日には必ず一緒にどこかへ出かける理由を作ることにしました。
と、長々と前置きを書きましたが、僕は『結婚したら家を建てたい』という夢があったのが一番の理由です。
僕の実家はマンションでした。最上階の角部屋で見晴らしは良かったのですが、小さい頃からずっと一軒家に憧れがありました。
妻と知り合う何年も前に資産形成も兼ねて、街からも駅からも徒歩圏内のかなり立地の良いマンションの最上階を買ったこともありました。住み始めの頃は毎日帰ってから外を眺めることが楽しみでしたが、数年経つとやっぱりこれじゃないな。と思うようになりました。また、最初の目的は資産形成でしたが、住宅ローンや固定資産税、管理費・修繕費、駐車場代等、最初に思っていた以上にランニングコストがかかり、投資に回すお金が確保できなかったこと。機械式の駐車場から車を出すのに10分以上かかることがあり、それがストレスだったことから3年ほど住んでから売却しました。周りからはもったいないと言われたり、私がマンションを買った時の担当の営業からもこんな良い物件を手放すのはもったいないから貸しに出しませんか?と言われたこともありました。
その経験から得たことは、
・家は資産形成ではない
・資産形成は別の方法で行う方が利回りが良い
という2点です。
家は資産形成ではないということに対しては様々な意見があると思いますが。僕個人の意見を述べると、
家は資産として残ります(これは事実)。しかし、資産形成という面で考えると不動産投資よりももっと効率の良い方法はいくらでも存在することが分かりました。
当時、資産形成に関して無知であった私は所謂『情報弱者』であったため、この方法しか思いつきませんでした。
しかし、それから色々と学び、ただ単に資産形成としてマンションに住み続けるのであれば、
非効率的な方法
であると思い、思い切って売却することにしました。結果として、売却時に手元には200万程の現金が入ってきて、投資に関する知識も深まったので、良い経験になったなと今では良い思い出になっています。
そして、それと同時に思ったことがありました。
家で作るべきなのは『お金』ではなく『思い出』
人生のパートナーと一緒に間取りを考えて、ここにこんな家具を置きたいねと話しながら家具を選び、こんな感じでご飯を食べたいとか話しながら家電を考える。
家というのは一生に一度の買い物です
確かにマンションは資産価値が下がりにくいし、売りやすい。数年ごとに買い替えてお金を増やしていくのは良い方法だと思います。しかし、過ぎた時間は戻ってきません。それよりも自分たちで1から考えて作った家に体が動かなくなるまで住み続けたい。家を出て行った子ども達が帰ってくる目印を残しておきたい。そう考えて、私は損得勘定よりも、家族と作る大切な思い出の方を重視することにしました。
これは余談ですが、土地探しの際に彼女に今の仕事を続けたいか確認したところ「今の職場はきついから早く辞めたい。でも、仕事をせずにずっと家に居たいとかいうわけではなくて、子どもがある程度大きくなったら働くつもり」という答えが返ってきました。
「じゃあ、1人目ができないことには仕事をいつ辞めるかの目途が立たないし、それによって土地の候補も変わってくるし、子どもができなかった場合は子ども部屋だけ余ってても悲しいよね」
という話をしました。
その結果、プロポーズ予定日の1か月半前に彼女のお腹の中に第一子の命が宿りました。一般的に見れば、順番が違うと思われるかもしれません。しかし、僕と彼女の間では計画通りという感じでした。
それから、クリスマスに僕の両親と妻の両親に結婚のご挨拶をして、その後すぐに一条工務店と仮契約を行いました。
担当の営業には、プロポーズが成功して入籍したら仮契約しに来ます。と言っていたので、「今日いらっしゃったということは…」という話になり、この営業が3番目に結婚の報告をした人物となりました。
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